「え…。」

単純に喜んでた自分を責めた。

今までの彼の言動に納得がいく。



「僕がもし日本にいなければ、
1人、早く助かることが出来るんだ。」

そう彼に思わせてしまう、この世界が憎いと思った。
そして、他の患者のことまでも考える、心の広い彼が尊いと思った。



『だから、僕はドナー登録をしていないし、するつもりもない』


立ち上がって真っ直ぐ前を向いて
そう、キッパリと宣言した。

とても格好良い姿だった。