隣のカーテンに向かって声をかける。


「君はいつも、どんな本を読むの?」




なかなか返事がかえって来ない。
ちらっと中を窺うと外出中なのか本が伏せて机に置いてあった。

見たかったけれど勝手に見るのは駄目だと思い、戻る。


暇つぶしをするのは凄く退屈だ。本の他にも教科書などがあるので手にとってパラパラとめくる。

今までよりも難しい教材。
退院した時のために少しだけ進めておくことにする。

そういえば、里奈は勉強が得意だったな、なんて思い出しながら