【完】DROP(ドロップ)



学校へと向かった私は、後から友達に声をかけられてるのにも気づがず、教室へと入った。



「ちょっと、雫!?」

「へ!?」



首根っこを持たれ、思わず後に倒れそうになる。



「何回も呼んでるのに、どうしたのよ?」

「え? あぁ、ごめん」



変な顔をして見る友達の菜摘(ナツミ)。

そのまま席へと座り、目の前にいる菜摘に一言。



「……あたし、恋したみたい」

「はぁ!?」



突然の告白に目を白黒させる菜摘。


そりゃそうだ。

ボーッと現れたくせに、いきなりの恋しました宣言。


あたしが逆の立場でも驚くよ。



「誰に!?」



誰と聞かれて、思い浮かべた顔、そして“学ラン”。



「え……えっと、学ラン君?」

「学ラン君!?」



菜摘のだんだん大きくなる声が恥ずかしくて、口を押さえた。



「ちょっ…んご」

「菜摘、声が大きいよ!」

「あー、ごめんごめん。で、学ラン君って何!?」