バレンタインの日。



雫が突然言った

『もう止める』

って言葉。



嘘だと思っていた。


あれだけ告白してきた雫だよ?



普通は思うよ、次の日も恥ずかしそうに笑って

『おはよっ』

って、俺の前に現れるんだってね。



それなのに、雫は本当にいなくなった。



最後の最後に

『好き』

て言葉を残さずに

『ごめん』

そんな言葉を残して。



雫が、朝待たなければ会う事だってない。

ただ、今まで通りの生活。

それに“雫が”いなくなっただけ。

元々は、いなかったんだから元に戻るだけ。