【完】DROP(ドロップ)




「……明日は夕方からだから」



ポソッと呟く様に答えた奈央に、微笑んで



「昔みたいに下で遊んでたんが懐かしいねぇ」



そう昔を思い出した。



あの頃は“モデル”って事を、この小さな箱の中だけで騒がれてた。


勿論、気付かれない日だってあった。



ただ毎日が楽しくて、明日起こる事にワクワクして。



多分、俺は……



「そんな昔の事、忘れたわ」



囁くように聞こえた声が、胸に刺さった気がした。



そう、俺は多分子供だったんだ。



何も変わらず、このまま皆と共にする未来があると思っていた。

歩む道が違っても、作り上げてきた世界は変わらないって、そう信じていたんだ。



「奈央ちゃんも、変わっちゃったわけ?」



時間が経つにつれ、1人減り、2人減り。

仲間だと思っていた奴等は、新しい世界へと溶け込んで行った。



共に築いた世界は、なかったのか?