【完】DROP(ドロップ)




それを見て、呆然とする俺を圭矢がクスクスと笑っていた。



「圭矢ー、何笑ってんだよっ」

「陸って、いっつも奈央に無視されてるよね」



怒る俺は、何も言えなくなってしまう。



DROPが結成される前は、奈央とよく遊んでいた。

同じモデルって事もあって合コンとかもよくしてたし。


なのに、ここ最近、奈央は冷たい。


女優になると仕方ないのか? とも思ったけど、昔からの仲間とは今まで通り付き合ってるらしいって聞いた。


そう、冷たくされてるのは、俺だけ。



何でだ?
俺……何かしたっけ?

考えても、答えなんて全然出なくて。

頭に浮かぶのは『?』ばっかりだ。


奈央の友達には手出してないし。

勿論、奈央にも出してない。



この変は、俺だって大人だからちゃんとしてるんだけどなぁ。



「俺、奈央に何かしたっけ?」



やっぱり、いくら考えても駄目な俺は圭矢に聞いてみた。



「さぁ。俺は陸みたいに奈央とそんな付き合い長くないし知らないよ」



そうだよなぁ。
圭矢は、モデルになって半年位、奈央と仕事しただけだもんなぁ。