「……酒臭い」



楽屋で着替えをしていた俺の隣を通り過ぎながらボソッと呟くのは、メンバーの圭矢。



「え? まじでっ」



クンクンと自分の体を嗅ぎながら、圭矢を見つめた。


冷たい目を俺に向けると、そのまま何も言わず逸らされてしまう。

何だよー。
んっと、生意気な奴。



「なぁ、祥平。俺、酒臭い?」



先に着替えを済ませていた祥平に聞いた。



「え? 別に。てか、陸また飲んでたの?」

「だよなー。ほら、圭矢臭くないって!」



そう圭矢に大声で言っても、無視。


何なんだよーーー!
お前が言ったから気にして聞いたのにー。



「陸、いい加減にしないと体壊すよ?」



俺を覗き込んだ祥平は、少し心配した顔をしていた。



「祥平! お前可愛いのは顔だけじゃないんだなぁー!」

「ちょっ…止めてよ、陸ー」



そう言って祥平を抱きしめると、圭矢が笑っていた。