でも。

好きか嫌いかは、自分が決めればいい。

諦めるか、諦めないかも決めるのは自分自身だ。


例え、相手に“大切な誰か”がいても。


無理に諦めようとすれば苦しいのを知ってるから。

解決するのは時間しかねーんだよな。



そう思ったら、何か無理して忘れようってしてた俺が馬鹿らしく思えた。



雫となるべく普通に接しよう、そう思ってた俺は無理してたんだって。

好きな相手に普通に接するなんて無理な話だろ。



だけど……。



俺は、ＫＥＩには勝てない。

雫が心から笑えるのはＫＥＩだけだって知ってるから。



だから……。



幸せになってくれればいいな、って。

今は本当そう心から思える。



「巧ちゃん、鈴まだ好きでいてもいい？」



涙でぐちゃぐちゃな顔は、昔と変わらなくて。



「いーんじゃね？」



そう言ったら、



「だぐみじゃーん」



って凄い勢いで俺に抱きついてきた。