だけど、それは許されず。
「KEIさーん」
ドアを軽くノックされ、名前を呼ばれた。
「あ、すぐ行きます。あー……ごめん、また電話する」
そう言うと携帯を切り、また仕事へと戻ったんだ。
だけど、その日の俺はボロボロで。
いや、メンバー皆が小さなミスなんかを繰り返していたんだ。
ホテル暮らしが何日も続けば疲れだって溜まる。
DROPになってから、1番忙しい時だとも思うしね。
でも、俺はなるべくミスを出さない様に頑張ってのに。
雫の声を聞けば、後少し頑張れると思ってた。
なのに、頭の中にはさっきの男の声がリピートされてばかりで。
雫の一言で頑張れて。
雫の一言で駄目になる。
俺は何て脆いんだろう。

