「まー、それはいいんだけどっ」
聞き返したかったあたしの言葉を言わせない為か大きな声を出した圭矢。
少し頬が赤い気がするんだけど、気のせいかな?
「で、奈央が週刊誌に取られちゃってさ。そしたら俺のマンションだ、ってなったみたい」
あぁ。
そっか。
それで圭矢と奈央さんはドラマがあるから、この2人がってなったんだ。
圭矢が裏切るはずなんてなかった。
嘘をつくはずなんてなかった。
あたし、どうして信じれなかったんだろう。
どうして……。
「圭矢、ごめんね?」
目でみたもの、耳できいたもの。
そればっかり信じて。
勝手に疑って、信じれなくて、泣いていた。
好き、そればかりが前を進んで。
芸能人、そんな事に囚われて。
大事な事を見てなかった。
1番、大切な圭矢の声を聴いてなかったんだ。

