「あーーー、もう。また泣くっ」



ギュッ、と抱きしめられて頭をヨシヨシと撫でる。



だって、だって、だって。



「圭矢が無視するから……」



ボロボロと零れ落ちる涙がフローリングを濡らす。



「ヤキモチだから。それくらいわかってよ」

「……ヤキモチ?」

「そう。俺は一緒にバイトも出来ないし。
羨ましいなって。
一緒に居てあげれなくて……ごめんね?」


そう謝った圭矢は、額に優しくキスをしてくれた。



ただ、その顔は真っ赤で。

『ここまで言わせないでよ……』

って少し哀しそうに言ってくれたんだ。



圭矢も一緒にバイトしたり、ゲーセン行ったり、遊んだり……したいなって思ってくれたんだ。


あたしと同じ様に思ってくれたんだ。

それが出来なくて、ごめんって謝ってくれるんだ?



それだけで、あたしの壊れた涙腺は、また涙をどんどんと流し出した。



最後の方は、

『お願いだから泣き止んで。俺、雫に泣かれると困る』

って必死にティッシュを渡しながら、一緒に涙を拭いてくれたんだよね。