クスッと笑うあたしに、やっぱり拗ねてた圭矢は



「何、その余裕」



そう言うとムスッとしてしまった。



「余裕なんて、余裕なんてないよ」



小さなあたしの声に、圭矢が首を傾げた。



「余裕あったら、こんな朝早くから来ないもん。圭矢に早く会いたいって思ったから時間なんて忘れて来ちゃったんだもん」

「そうなの?」

「うん」



腰から離れた腕。


ゆっくりとあたしの頬に触れる掌。


照れ笑いをした圭矢に、あたしも笑った。



真っ白なシーツの中で、他に何もない中で。



軽く、優しく触れるだけの



キスをしてくれた。