「敵も中々、やるわね」



休み時間、菜摘があたしの話を聞いて呟く。



圭矢君に振られた後、あたしは電車に乗るのも忘れてホームに呆然と立ち尽くしていた。

気付いた時には、人で溢れ返っていた駅が落ち着きを取り戻し始めた頃だった。



慌てて電車に飛び乗るも“遅刻なし3週間”は、あっと間に終了。

遅刻して先生に怒られながらも、圭矢君に言われた言葉を思い返すばかり。



「恋と一緒に遅刻ナシも終ったんだよ」



ボソッと言ったあたしに、



「はぁ!? 諦めるつもり? たったそれだけで。あんたの恋はそんなに簡単なものだったの!?」



大きな声で菜摘が迫って来る。



すごい迫力……。