――ピッンポーン♪



軽やかなチャイムの音。


少し待つと、ドアを開ける音がして、開いたドアから眠そうに目を擦る圭矢が現れた。



「お、おはよ」

「おはよー……ってどうしたの? こんな朝早くから」

「あ、ごめん。寝てたよね! ごめんね」

「んー」

「夜中に明日オフってメール来てたから、つい……」

「あー、したね、メール」



え。



メールしたのも覚えてなかった!?


そりゃそうだよね。

メールがあったのが4時過ぎで、あたしは夢の中だったけど。


圭矢は、それから寝てるんだもん。



普通は、そうだよね。



なのに、あたしってば朝9時から押しかけて来ちゃって、すっごく迷惑じゃない?



「ごめんね」



玄関先で、やっぱり眠そうな圭矢を見上げて謝った。



「別にいいよ。取り敢えず、中入って」




パタンー……と閉まったドアの鍵を閉めて、先にリビングへと戻る圭矢の後をしょんぼりして歩いた。