服の裾を遠慮がちに持ち、ツンツンと引っ張る。

横目で見ると、不安そうな顔で俺を見つめる顔。



そんな顔しないでよ。




「圭矢、本当にごめんね?」



何度も何度も謝りながら、だんだんと小さくなる声。



「……別に怒ってないから、雫が謝る必要ないでしょ?」

「でも」

「……でも、何?」

「でも……もっと圭矢のぞばに居たいもん」



小さくついた溜息。


どうしてそんなに可愛い事ばっかり言ってくれるんだろう?

どうして俺を困らせる事ばっかり言えるんだろう?



「そんな事ばっかり言ってると……またキスするよ?」



そう言った俺が見下ろした雫の顔が、見る見るうちに赤くなっていく。



また、そういう顔をする~。
やっぱり俺を困らせたいんだよね?