「えっと、名前なんて言うんですか?」
「え? 俺?」
自分を指差し驚いた顔を見せる。
「はいっ」
ニッコリ笑ったあたしはドキドキしながら、名前が聞けるのを待つ。
「安藤 圭矢(アンドウ ケイシ)だけど」
「あたしは雫、上原 雫です! あ、雫でいいですよ」
「……はぁ」
「どこの学校なんですか?」
「D高だけど」
「あ、D高なんだ! 頭いいんですね♪」
「……別に」
「今何年生ですか?」
「……3年」
「え!? 3年生なの? あたしは1年です」
ベラベラ喋るあたしに、少し迷惑そうな顔を見せる圭矢君。
なんて、もう勝手に圭矢君って呼ぶあたし。

