大好きな圭矢の事だから、応援して陰で支えれる彼女になりたい。



だけど、どうしてもあたしの醜い嫉妬や我儘な部分が隠せなくて。

圭矢が先に行く程、作り笑顔が上手くなる。



だけど、こんな気持ちを言っちゃったら、圭矢は簡単にあたしに“別れ”を告げるよね。



あたしの好きは、どうしてこんなに大きいんだろう。

どうして圭矢の好きを感じないんだろう。



ねぇ、圭矢……あたしの事、少しは好きでいてくれてる?




そのままカラオケ店を出た、あたし達。



圭矢の携帯に、さっき言っていたダンサーの子も交えて急遽打ち合わせがしたいって事務所からの連絡が入ったんだ。


先に出てしまっていた圭矢の後を歩く。

何だか、隣に並んじゃ駄目な気がして。



“輝く未来”を持つ圭矢の隣に居ていいのは……あたしなのかな?



どんどん先を歩いてしまう圭矢に、大きな不安を抱き始めて。

キラキラ輝く世界は、あたしには眩しすぎる。



「じゃあ、ここで」

「うんっ。じゃあね!」



手を振り、圭矢に背中を向けて歩き出した。

少し歩いて立ち止まり、ゆっくりと振り返ると圭矢も、もう歩き出してる。