【完】DROP(ドロップ)




朝から鬱陶しい雨が降る、どんより曇り空、そんな日だった。



どうせ今日も会えないだろな。



そう思ってボーッとホームに立っていたら居たんだ。



学ラン君が。



ずっと会いたくて、毎日毎日眠いのも我慢して待っていたのに、いざ会えたとなると、どうしていいかわからない。

早く行かなきゃ。

そうは思うんだけれど、中々体は進まなくて。



あたし何してんのよ!



そう思った時、やっと学ラン君の側へと走り出していた。



近くで見れば見るほど、かっこよくて。

雨なのに柔らかそうな髪が風でなびいている。