【完】DROP(ドロップ)




「こうなったら、調べなきゃ駄目だよ!」



グッと私に顔を近づけ、人差し指を立てた。


恋に関しては、すごく前向きな菜摘の作戦。


とは言っても、



毎朝、同じ時間にホームで待つ。

似た制服の人が居たら、どこの学校か聞いてみる。

学ラン君を見つけたら名前と携帯番号を聞く。



の3つだった。



これって、結構普通の事だよね?


なんて思ったけれど、隣で
『頑張るのよ!』

なんて言う菜摘に言い返せるわけがなかった。


だって、異様な気合なんだもん。



それから、寝坊をしない様に早く寝て。

毎朝、完璧にセットとメイクをして。



あの時より何本か早めの電車が来るホームで、ギリギリ学校に間に合う時間まで待った。



でも、会えないまま2週間が過ぎてしまって。



もしかして、あの日はたまたま電車だったとか?

もしかしたら、クラブか何かしていて朝早いとか?



色々な妄想が膨らむ中、今日も待つ。