「蒼李ちゃん大丈夫?」
 と、衣朱深が聞いてきた。
「うん。大丈夫。」
 と、私はかえす。
「本当にすみませんでした。
 急いでいて。」
 と、謝っている人を見る。
 ‛‛ダサっ’’の一言でしか表せない。
 前髪が目の下までかかって表情は
 わからない。とにかく暗い。
「いいえ。大丈夫ですから。
 それに急いでいるのでは?」
 と、私が言うと
「本当にすみません。」
 と、言い残して彼は去った。
 そして彼が去ったのを確認すると
「今の人ダサっかったよね。」
 と,言うと
「そんなこと言っちゃだめでしょ。」
 と、言われる。
「でも、ダサかった。」
 と、私は笑った。
「もう。笑わないで行くよ。
 本当に遅れちゃうから。」
 と、怒り気味に言った。
「はい。」
 と、私たちは急ぎ足で
 体育館に向かう。