「ありがとう。」
と、衣朱深に抱き着く。
「もう。入学式始まるよ。」
と、いう。
「うそっ。体育館行かないと。」
と、いうと、
「うん、急ごっか。」
 そして私たちは体育館に向け歩き出したとき、
(ドンっ)
 だれかとぶつかった。
 私は尻もちをついた。
「すみません。」
と、前から声がする。
「こちらこそ。」
と、私は砂をはたきながら立ち上がる。