と、こちらに手を振りながら
 走ってくる女の子は
 私のことは唯一知っている親友の 
 北山衣朱深。茶髪でボブ髪は
 今日も天然パーマが風になびいている。
 実は彼女も日本を代表する企業の
 北山グループの御令嬢。
 私の事情を聞いた衣朱深は
 両親に頼んでここに入学してくれた。
 衣朱深の両親も私のことを聞いて
 大賛成してくれた。感謝です。
「ん?どうかした?」
 と、衣朱深が首をかしげる。
「や、なんでもない。
 てか、ほんとありがとね。高校。」
 と、いうと。
「いいよ。別に高校くらい。」
 と、言ってくれるが
「でもこの高校は嫌だったんでしょ。」
 そう、衣朱深は両親に薦められていたが
 嫌だと言っていたのだ。
「違うよ。ここってみるからに
 お金持ち学校だから。
 でも、今はすごく楽しみなの。
 また蒼李ちゃんと一緒だから。」
と、かわいいことをいってくれる。