カランッ


古びたドアを押すと、
下げてあった鈴が乾いた音を立てた。

5月の頭だというのに外は暑い。
にも関わらず、ここはとても寒い。

遮断効果の高いカーテンなのか
大きい窓があるくせに
光があまり入ってこないことに
わずかな不気味さを感じた。


「いらっしゃいませ」


どこからともなく聞こえた声に
思わずドキッとする。


「思い出博物館へようこそ」


コツッコツッという足音と共に
奥から人影が現れた。


「お探しの思い出はなんでしょう」