「梓…」

健太が恐る恐る私に近寄って来る!

でも私は…

“ドン…”

健太をはねのけた!

「本当…バカな男…!」

涙を必死にこらえ…

「何で…私みたいな女に声かけたかな…!」

強がって見せる私!!

「健太ならもっといい人がいたでしょ…?」

と、言って健太に背中を向ける。

「それに…実は私も…健太といるの飽きたんだよね…!!」

声が震えないように、大きな声で話した。

いつの間にか、目の前は涙で滲んでよく見えない…。

こらえているのに、溢れて来る涙!

このままじゃ健太にバレてしまう…。


「本気で言ってるのか…!!」

健太が聞き直す!

「本気に決まってるでしょ!それとも…健太は冗談で言ったの?」

本気でも、冗談でも…

もう…

後には引けない…!!

私にだって“女の意地”がある!

「冗談で言う分けないだろ!」

健太が真面目な顔をして言った。

「他に女もいるし…。お前と別れたら、ココにも呼べるし…ありがたいぜ!!」

そう言って健太が笑った!

「そう…!私もこの前知り合った男の所に行くから…」

ヤバい!!

これ以上は…涙をこらえられない!

早くココを出ないと…。