「ホントに、俺のせいッスよね……俺がこんな族に入らなければ……」
「気にすんな。夏蓮が黒龍っていうのは正直驚いたけれど、それで俺たちが態度を変えることはしないし、夏蓮は夏蓮だ。逆に、佑樹くんには悪いけど、この族に入ってくれなければ、俺と夏蓮は再び会うことはできなかった。だから俺は、こういう結末で良かったって思ってる」
ツンツンっと佑樹の腕を楓がつつく。
「励也ってね、夏蓮に惚れてんのよ」
「え!マジッスか!?」
「なんか一目惚れだったみたいよ?」
佑樹はちょっと嬉しくなって微笑んだ。
「俺、励也さんだったら全然、姉ちゃんのこと任せられます」
励也にそう言う。
「……あはは、ありがとう。でも、まだ気が早いよ」
「大丈夫ッスよ。俺が保証します」
だって、姉ちゃんもたぶん……
そう佑樹が思っていたのは誰も知らない。
