その頃、桜華蓮は……




「なんだあの圧倒的な強さは」




一也が驚いたけれど顔で言った。




「あぁ、俺たちがまともにやってもあの強さには勝てないな……」




と励也。





「夏蓮……」




澪が心配そうに見つめる。




蛇玖竜の人も桜華蓮の皆も夏蓮を警戒していた。




「夏蓮!しっかりしろ!」




一也は思わずそう叫ぶ。




「無駄ッスよ」




佑樹が桜華蓮のそばにやって来て言った。




「今の姉ちゃんに、味方も敵もねぇんスよ。視界に入ったものは、全て排除してしまう。姿形は姉ちゃんでも、意識は姉ちゃんじゃねぇ……それが黒龍……」




と佑樹。