施設で過ごす期間は思ったより短かった。





すぐに引き取り手が見つかり、しかも俺たち2人とも引き取ってくれた。




それが今の両親だ。




引き取ってくれるとき、俺はあることを言った。




姉ちゃんは実は黒龍なんだということを。




黒龍という名は、この町で知らない人はいないほど、有名になっていた。



この事を知ってもなお、俺たちを引き取ってくれるなら安心して生活できるだろうと俺の勝手の解釈だ。




そして今の両親は嫌な顔もせず、快く受け止めてくれた。




「例え夏蓮ちゃんが黒龍だとしてもそれは、昔の親の育て方に問題があるのよ。夏蓮ちゃんは何も悪くない」




と母さんが笑って言ってくれた。





嬉しかった。




こんなに心が広い人がいるとは思っていなかった。




そして俺たちはこの両親の元で生活することになる。