「佑樹!」
姉ちゃんを助けを求めていたことは今でも覚えている。
そして姉ちゃんはその生活に嫌気がさしたのか、夜中に親の目を盗んで家を出ていく事が多くなった。
帰ってくるといつも血まみれでだった。
けどそれは、姉ちゃんの血ではなく他人の血であることは明らかだった。
ある日、俺は夜中に何をしているのか気になり、姉ちゃんの後をつけた。
そして、姉ちゃんが立ち止まった先には、怖そうな大人たちが待ち構えていた。
何が始まるんだ?
すると、大人たちは姉ちゃんをめがけて殴りかかった。
危ない!
そう思ったのもつかの間。
姉ちゃんは雨のように降ってくる拳を次々と避け、相手に攻撃を仕掛けた。
喧嘩をしたことがない俺でも分かった。
