実は俺たちの両親は今の親ではない。




いわゆる里親だ。




これは俺たちがまだ、今の親に引き取られる前のこと。




昔の俺たちは、どこの家庭と変わらない幸せな生活をしていた。



けれど、父の会社が倒産し経済的に厳しくなった。




母は専業主婦だったから尚更お金がない。




会社が倒産してから、両親は共働きに出た。



正社員ではなくても、バイトで雇ってくれるところには、片っ端に履歴書を送っていた。




けれど、それでもお金の問題は解決することはなく、ついに精神が狂ってしまったらしい。



両親は俺たちに手を挙げてきた。




「お前たちなんか、産まれなきゃ良かったんだ!」