佑樹sideーーーーーーーーーーーーー
俺と総長はとある部屋にいた。
電気も窓もないとても窮屈な空間。
「そろそろお前の姉ちゃんが来る頃だな?」
総長が言う。
「お願いです。姉ちゃんには手を出さないでください!」
「さあ?それはどうかな?」
ドスッ
「うっぐ……!」
あれから1週間俺はずっとこうやって殴られ続けている。
食事もろくに与えてもらえず、身体もボロボロ……
死んだほうがましだと思わざるを得ない状況……
惨めだな……
最初は興味本意で入ったこの暴走族。
まさか、麻薬の密売とかヤバイことに手を突っ込んでいるとは、とんだ計算違いだ。
姉ちゃんも自分の嫌い暴走族にまで入って俺を助けようとしてくれてる。
最低な男だな俺は……
「お?やっと来たみたいだな」
総長がドアを開ける。
ドアが閉まる直前に見えたのは、
心配そうな顔をする、姉ちゃんの姿。
ごめん……姉ちゃん……
こんな最低な弟で……
