そして1週間後。




「夏蓮、無理しなくてもいいんだよ?」




励也が優しく声をかける。




「大丈夫。佑樹を助けるためだから」




ここで挫けてなんかいられない。




倉庫を出ようとしたとき、




声が聞こえた。




「待って!」




「澪……何で?」



澪と楓さんは一也さんと待機することになっていた。



「私も行く。ここでじっとなんかしてられない!楓と考えたの。今自分にできることは何かって……」




いつになく真剣な顔で言う。




「足手まといになることはわかってる。でも、少しでも夏蓮の力になりたい」




「私も同じ気持ちよ」




澪の言葉に賛同する楓さん。





「でも澪と楓が危険にさらされるかも知れないんだぞ?」



励也が少し強めの口調で言う。




ちなみに、励也は私を呼び捨てで呼ぶようになってから、澪のことも呼び捨てで呼ぶようになった。



「いいの。夏蓮が勇気を出して助けに行こうとしてる。なのに私は、ここでなにもしないでずっと祈ることしかできない。それは私自身が許せなかった」