「そう……全くあんたはドジなんだから」
笑いながらそう言うお母さん。
「……そう言えば佑樹は?」
玄関には佑樹の靴がなかった。
「まだ帰ってないのよ……どうしたのかしら……連絡もつかないし」
まだ、あれから帰ってないんだ……
「多分、大丈夫だよ」
私はそう言いながら、自分に言い聞かせる。
「だといいけど……」
「……じゃあ私はもう寝るね。疲れちゃったし」
私はそう言うと自分の部屋に向かった。
そして、自分の部屋の扉を開けてベッドに横になる。
「あ……九条さんに連絡しなきゃ……」
家についたら連絡してって言われてたんだっけ……
