あれ?
機嫌が悪いのかな?
態度が冷たい……
「気にしないでいいよ。いつもあんな感じだから。あいつは三條翔(さんじょうしょう)」
三條……珍しい名字だなぁ
「今日はもう遅い。どうする?今日は泊まっていっても構わないんだけど?」
九条さんにそう言われて時計を見ると既に23時を指していた。
もうこんな時間……
「……いえ、家へ帰ります。親も心配していると思うんで……」
「そう……じゃあ、家まで送っていくよ」
九条さんはそう言うと、斉藤さんと櫻木さんに向かって、「文月さん送っていくから、後は頼んだよ」と言っていた。
「行こっか」
「……なんか、すいません……」
助けてくれたのに、尚且つ送ってもらうなんて申し訳ない。
「気にしないで」
九条さんは全く気にしていないようだったけど……
