九条さんが同意する。
「蛇玖竜っていや、暴走族の中でもトップを争う犯罪の使い手だよな?」
と斉藤さん。
「あぁ、恐らく君の弟くんは、それを知らされず仲間に入れられたってところだろう」
「そして、そのことを知ったとき彼はどうして良いか分からず、むしゃくしゃしてた訳ね」
だから最近私たちに反抗ぎみだったんだ。
その時、この部屋のドアが開く音がした。
ガチャ
ドアが開かれ入ってきたのは、
少し目つきが悪くて、耳にピアスを付けた男性。
「……誰?」
その人はいきなり、睨み付けるかのように私を見て、少し低めのトーンで私に話しかける。
予想外の展開でオドオドしながらも名前を言った。
「……えっと、文月夏蓮です」
ちょっとこの人、怖そう……
「翔、やっときたね。この子の事は後で説明するよ」
九条さんがそう言うと、翔?と呼ばれる人は奥の部屋へと入っていった
