「お嬢ちゃん」




まるで語尾に音符でも付きそうな口調で声をかけられた。




後ろを振り返ると、チャラそうな方々が立っていた。




「…!!」





その人たちから放たれるオーラは今まで普通に過ごしていれば、感じることのないもの。







これがいわゆる殺気と言うものなのだろうか……






「こんなところで何してるの?うちに何か用があるのかな?」







うち?







ということは、佑樹が入っていったこの建物の人たち?






どうしよう…





「……別に…………何でもない……です」





恐怖と緊張で声すら思うように出せない……






「ちょっと来てもらおうか」






チャラそうな人達は今の場所よりさらに人通りのない場所へと私を誘った。