「……おそらく''黒龍''のしわざだろうな」
「黒龍?何ですかそれ……」
「お前知らないのか?」
''黒龍''
それは突然、嵐のように現れた。
目に写るものは全て排除していくペースで、次々に人を倒していく。
暴走族潰しは今回が初めてではなく、今までに2~3回同じようなことがあった。
「噂では、小学生だと耳にしたことがあるな」
「子どもが今までの暴走族潰しをやっていたって言うんですか?」
「冗談はやめてくださいよ」と苦笑いしながら若い警察官は言った。
「案外、本当かも知れないがな……」
先輩警察官はボソッと言った。
「何か言いました?」
「いや、何でもない。さっさとやって切り上げるぞ」
それからというもの。
黒龍の名を聞いたものはいない。
町では死んだという噂が広がった。
