それから数日後。



私が学校から帰るとリビングからお母さんの声が聞こえた。





「最近夜遅くまで何してるの?」






どうやら、誰かと話しているみたいだ。







私はリビングの扉の近くに身を潜めた。






ちらりと中を見るとそこには佑樹がいた。






今日は帰ってくるの早いな…………






いつもは遅いのに……






「佑樹!」





問いかけに応じない佑樹に腹をたてたのか、お母さんは怒鳴った。







佑樹はチッと舌打ちするとリビングを出た。






そこで身を潜めていた私と目が合った。







そして何事もなかったかのように、玄関へと進んで行った。







「ま…待ちなさいよ……」







私は佑樹を止めようとするけど私の言葉に聞く耳を持ってくれない。






そのまま佑樹は家を出た。






「あぁー行っちゃった…」





お母さんの方を見るとどうしたものかと言わんばかりに頭を抱えていた。




やっぱりここは、佑樹が何をしているのか確認するためにもつけていったほうが良いかもしれない。




そう思い立った私は制服のまま着替えずに佑樹の後をつけていくことにした。