「………………ちゃ…!!」

「兄…………ちゃ…ん!!」

「兄ちゃん!!!!!!」

呼ばれている俺を呼んでいる。思いまぶたを

微かに開けて寝ぼけた頭を働かせようとし

たがやはり眠たい。もう少し寝ていたかっ

た。がそうもいかず子供たちはレイの上にの

しかかったりくすぐったり懐いたりと必死

で起こす。

「兄ちゃん暗くなった!!日は落ちたよ!!兄

ちゃんが起きないんじゃなんのために起こ

したのか僕らわかんなくなっちゃうよ」

その言葉でハッとした。しまったね過ぎてし

まった。先程まで一切の活動をやめていた脳

が急速に回転する。

とにかくまずは街に行こう。夕暮れ時の市場

は店を片付けている人しかいなかった。

もぅあと2刻もすれば日は完全に落ちるだろ

う。

これを待っていた。レイは剣を盗んだまだ齢

幾ばくの少年レイには職人の作った剣は重

過ぎるものだった。

いつもの俊足も剣を引きずっていては風と

呼ぶには拙く悲しすぎたが自分で決めた世

間へのカルマの坂(復讐の道)を走り続ける

ほかに少年に残された道はなかった。

途中いくつかの店に金を盗みに入ったがあ

のパン屋の夫婦だけは殺さなかった。その後

新しい着物を4着だけ調達して寝床に戻り名

を持たない子供たちのために前々から考え

ていた名を紙に書き着物とともにそれぞれ

の頭の上に起き金の詰まった袋の下に手紙

を置いて出た。

自分がいなくなってからもこの子達が生き

るに困らないように綺麗な服を用意して生

きるために必要なだけの金を残した。

生きて帰れるなど思わなかっただがやはり

この子達のことがきになったもぅ4年も共に

暮らした仲だ。どこの誰よりもこの子達を

知っているつもりだった。きっとうまく生き

てくれると…。うまく生きてくれと思いを込

めた手紙と洋服に自分のありったけの思い

を込めて寝床をあとにした。