レイの齢は12.3と言ったところだろう。

子供たちは7.8歳くらいの子達だ。この子達

もまた貧困に苦を呈した親に捨てられたの

か…親が死んだのか…はたまた売られた先

から逃げ出してきたのか…。

やはり孤児だった。

レイも子供たちも空腹だった。特に子供たち

のために走り抜き食べ物を奪ってきたレイ

の腹は高らかと鳴っていた。

レイの心は他のどんな美しい宝石もどんな

に艶やかな絹もどんなに素晴らしい剣をも

その目には映させなかった。

ただ腹を満たしたいという純粋な欲求だけ

だった。

生きるために覚えた純粋な所業だった。

だから

穢れることもなく廃ることもなく意図せず

に罪を重ねた。

盗んだパンを二つに裂き子供たちに与え、

自分もパンにかじりつきながらレイは空を

仰いだ。乱れたこの世の中で唯一レイが美し

いと思うものだったから。

『人は皆平等…?ふんっ笑わせるな。どこの

どいつだそんなことを言ったのは。

人は皆平等など…どこのペテン師の言葉だ…。』