エラからだった。

容易に考えついた賢い子だったのだ。気づい

ていたのだ。私たちがエラを売ろうと考えて

いたことに。

なんということをしてしまったのだろう…。

それからというもの、毎日のようにエラから

の手紙が見つかった。

そして一枚目の手紙が見つかってから三

年がたったある日、最後の手紙を見つけた。

あんなに短い時間でこんなにもたくさんの

手紙を書いていたのか…。

エラ…私の可愛いエラ…お前は死んでし

まった…。

お前を買った家の主人はお前を買ってすぐ

死んだ屋敷のものは皆殺しだったそうだな。

お前もきっと怖い思いをして死んだのだろ

う…。

母さんはお前の訃報を聞いて死んでしまっ

たよ。そっちで母さんには会えたかい?ふた

りで何を話している?父さんはなんとか1人

でも切り盛りして生きているよ。

お前と母さんと三人で暮らしたこの家を

守っていきたいのだよ…。