透明なユウくん

結局ユウくん来なかったなぁ。
とぼとぼと帰る準備をするために一旦教室へ戻る私。飼育小屋で会った男の子と同じ方向だった。

あらかじめ教科書を入れであるカバンを背負い教室を出ようとする。

すると肩をポンと叩かれ振り向くと、さっきの男の子が立っていた。



「葛さん…今日のこと秘密にしてくれない…かな?」

ん、うん?…そういえば名前教えたっけ?見たことない人だなぁとは思ったけど、名前まで覚えられてたなんて…。


「うん。それはいいけど、どこかでお会いしましたっけ?」


「え?葛さん…同じクラスの…」


ふわっと廊下の窓から風が吹き、男の子の前髪がクシャッとなる。

「望月 優…」


ハッとなった。前髪がさっきまで分けられていたので、誰かわからなかったのだが…もしかして

「…ユウくん?」