なんだかんだ久々の同期会はすごい楽しくて、時間が経つのもあっという間だった。

「また、皆で集まろうね!」と言って同期たちとお店の前で解散した。

私も友達と別れて、駅へと向かう。


今日の楽しかった思い出を振り返りながら、ゆっくり歩いていると
「藤本!」と私の名前を呼ぶ声が聞こえた。


誰だろうと思って振り返ると、私のもとに駆け寄ってくる柴崎くんの姿があった。

今まで同期会が終わったあとに一緒に帰ることなんてなかったから、驚きが隠せない。

そんな驚いてる私には気づかないのか、柴崎くんは私の隣に並び歩き始めた。

私は酔って少しふわふわした気持ちで彼と並んで歩いていた。

でもふたりっきりで話したこともないし、沈黙が続いてしまう。


無言のまま歩いてあると、なんで柴崎くんが呼び止めたのかと、疑問が湧いてきた。


呼び止めたのは柴崎くんなのに何も話してこないってどうなのだろうかと、怒りに似た感情さえ湧いてきてしまう。

それほど2人きりになったことがなかった柴崎くんとの間に訪れた沈黙は気まづくて、とても居心地が悪くて・・・。