「有里。明日花火大会だから一緒に行かないか?」

そう誘うと、驚いた顔を一瞬見せてからコクンと頷いた。

「それじゃぁ、17時半に門の前な。」

そう約束し部屋へ戻った。

言葉に出来ないほど嬉しく顔がニヤける遊。

その日は嬉しすぎてなかなか寝付けなかった。


寝付けずに布団の上でゴロゴロしているとふと、夕方有里が空を見上げていたことを思い出す。

悲しそうで今にも泣き出してしまいそうな顔で空を見てた有里の顔が頭から離れない。

「あんな顔するなんて…」