何時間たっただろうか。

有里は、一向に動かない。

見かねて有里に声をかけた。

「ねぇ、なにをしているの?」

有里は、何も言わずにベンチに腰をかけたまま。

「有里、帰ろう。」

そう声をかけるが応答がない。

しばらくベンチで座って暗くなってから有里は帰ってきた。

「有里、おかえり」

そう声をかけた。

すると「ただいま」と小さく呟くように言った。