和也くんとは相変わらず、お互いに廊下で手を振る。

ばいばい。

そのひとことだけでも、私はしあわせになれるけど。

私が祐一兄だったらな、とときどき思う。
理由なしに一緒にいれるし、いっぱい話せて、いっぱい遊べる。

ああ、男の子に生まれればよかった。





写真のなかの3人は、私たちが大人になっても、色あせず笑顔のままなのだろう。


和也くん、またみんなで海に行きたいね。
またこういう風に笑いあいたいね。

胸がきゅんとして、おまけに頭がキンとした。

雨降って 地固まり、うだるような夏が近づいていた。