あっという間に一日が過ぎてしまった。

ガラッ

球次「先生…」

入ってきたのは澤田陣、テニス部の監督だった。

陣「親御さんに聞いたよ君のこと。」

球次「そう…ですか。」

陣「テニスができなくなるそうだな。」

球次「そうみたいですね。」

陣「これは提案なんだが、君さえよければ次期キャプテンを頼みたい。」

球次「え?でも…」

陣「言いたいことは分かる。だが皆がお前に頼みたいと言っているんだ。」

球次(皆が…)

球次「分かりました。キャプテンをやらせて下さい!」

俺がそう言うと、

ガラッ

外で待っていた部員たちが入って来た。

楓太「お前ならそう言ってくれると思ったよ!」

海「まぁ頑張って下さい。」

陸「応援してます!」

信秀は、

信秀「〜〜〜〜〜」

球次「泣ける場面じゃねーだろ。」

奏「球ちゃんありがと〜」

球次「別に…ってドサクサに紛れてその呼び方すんな!」

夏「奏さんよかったですね!」

明「ヒューヒュー」

球次「お前後で覚えとけよ。」

ガヤガヤ

球次(さすがにうるさいな。)

俺は康太に目で合図をした。

康太は頷き、

康太「皆静かにして。ここは病院ですよ!」

皆「スミマセン。」

陣「お前ら遅刻するぞ!」

先生が急かすようにそう言った。

楓太「ヤベッお前らそろそろ行くぞ!」

楓太「んじゃまた来るわ。」

球次「おう。じゃあな。」

陣「俺もそろそろ行くかな。負けるんじゃないぞ…球ちゃん。」

球次「先生までやめて下さい!」

先生は笑いながら出て行った。

球次(俺もそろそろ覚悟決めないとな!)


昼食も喉を通らずしばらく外を眺めていた。

すると、

ガラッ

医者が入って来た。

医者「これからどうするか決まりましたか?」

球次「先生、手術お願いします。」

球次(皆が俺に決断する勇気をくれた。俺はそれを行動で返したい!)

医者「分かりました。2日後に手術でいですか?」

球次「はい。」

医者「ではまた。」

ガラッ


プルルル、プルルル

球次(母さんからだ。)

ピッ

球次「もしもし?」

母「もしもし球次、決めたの?どうするか。手術費とか気にしなくていいからね?元気になってくれればお金なんて…」

球次「母さん、俺、さっき先生と話して『手術お願いします』って頼んだから。」

母「よかった…」

母はかすれるような声で言った。そして泣いていた。

球次「母さん、俺は絶対元気になるから!そんでさ、もし元気になれたらカレー腹一杯に食いたい。」

母「グスッ…分かった。余るくらい作って待ってるね。」

球次「よろしく。じゃあね。」

母「うん…。またね。」

プッ、ツー、ツー

球次(乗り越えないとな。)



To be continued...