大会が終わり俺は再度病院に行った。

球次「先生…後どのくらいですか?」

医者「・・・。」

球次「大丈夫ですよ。今更何を言われても驚きません。」

医者「やはりあと…1ヶ月が限界でしょうね。」

球次「無理し過ぎちゃいましたね。でも悔いはないです。」

医者「治る可能性も0ではないので1週間だけでもよく考えて下さい。」

球次「分かりました。ありがとうございました。」

球次(1ヶ月か…短いな。)


球次「ただいま〜。」

母「おかえり。今日の夕飯は何がいい?」

球次「カレーにしよう!作るの手伝うよ。」

母「珍しいわね。雪でも降るんじゃない?」

球次「今雪のシーズンじゃないし!てかそんなに珍しいか!!」

母「珍しいでしょう。親孝行する気にでもなったの〜?」

母は笑みを浮かべていたが、心の底では泣いているんだろう。

球次(ごめんね母さん。俺は親不孝者です…。)

その日の夜は父さんも早く帰ってきて3人でカレーを食べた。


日曜日、奏と約束していたデートに行くことになった。

場所は奏の希望で遊園地に決定した。

球次「遊園地なんて小学校以来だな。」

奏「私もだよ〜!なんか懐かしい。」

球次「まずは楽しむか!」

奏「目指せ全アトラクション制覇!!」

球次「絶対疲れるだろ!」

奏「いいのいいの。」

球次「じゃあ行くか!」

奏「レッツゴー!!」

そこからはジェットコースターやお化け屋敷など遊園地の定番アトラクションを思う存分楽しんだ。

気づくと空が夕日で赤く染まっていた。

球次「本当に制覇しちゃったな。」

奏「まだ一つ残ってるよ!」

奏が指差した方向にあったのは、

球次「観覧車?」

奏「観覧車嫌い?」

球次「いや懐かしいなと思って。」

奏「ここの観覧車はそこら辺の観覧車とは違うよ〜。」

球次「どういう事?」

奏「二人組じゃないと乗れないんだよ。それと…」

球次「それと?」

奏「それは乗ってからのお楽しみ!」

球次「めっちゃ気になる。」

奏「じゃあ早く乗ろう?」

球次「そうだな。」

球次(観覧車か。小学生の頃母さんと乗ったな。)

俺は奏の嬉しそうな顔を見て心が和んだ。


To be continued...