審判「アドバンテージサーバー。」

俺は楓太とアイコンタクトをとった。

球次(楓太、最後の1点はお前が決めろ!)

楓太(美味しい所は貰うよ!)

「スパーン!!」

サーブの後、5分にも及ぶ長いラリーが続いた。

点が決まったのは一瞬だった。

「スパーン!!!!」

相手が体制を崩しゆるく上がったボールを見逃さず、楓太がスマッシュを決めた。

審判「ゲームセットカウント7-5。」

球次「よっしゃ〜!!」

楓太「優勝だ〜!!!」

ネット前に行き相手と握手をした。

球次 楓太「ありがとうございました!!」

剣崎 十文字「優勝おめでとう。」

球次「ありがとうございます。いい試合でした。」

剣崎「それと、悪かったな。ラケット投げてしまって。」

球次「その事ならもう気にしてませんよ。こう見えて案外タフなんで。」

剣崎「そっか、とにかく二人ともいい試合をありがとう。」

楓太「来年ももちろん優勝狙いますよ。な?球次」

球次「お、おう。そうだな…。」

俺と楓太は本部への挨拶も済ませて先生のもとに向かった。

先生「二人とも優勝おめでとう。本当に勝ってしまうなんて驚いたよ。」

球次「ありがとうございます。」

球次(楓太は…いつも通り泣いておりますね。)

無理もないかと思いつつも

球次「ほら、最後くらい笑って終わろうぜ!せっかく勝ったんだから。」

楓太「グスっ…そうだな。よし!泣くのは表彰の後!」

球次「結局泣くのかい!」

先生「胸を張って表彰されて来なさい。」

球次 楓太「はい!」

本部に向かおうとした時楓太が耳元で

楓太「奏のところにも行ってやれよ。待ってるから。」

と、ニヤニヤしながら言ってきた。

球次「分かったよ。先に行くんじゃねーぞ。」

楓太「分かってるって。」


球次「奏、勝ったよ。」

奏「うん!おめでとう!!」

球次「もうダメだって思った時に奏の応援する声が聞こえてまだ諦めたくないって思えた。ありがとう。」

奏「彼氏のことを応援するのは彼女としての役目だからね!お礼なんていらないよ。」

球次「本当に感謝してるよ。じゃあそろそろ行くね楓太が退屈そうにしてる。」

奏「行ってらっしゃい。」


楓太「遅い!」

球次「そんなに!?」

楓太「クソ〜イチャイチャしやがって。羨ましいわ!」

球次「そこかよ!!」

楓太「まぁとにかく優勝したことだし今日のところは許してやるか。」

球次「勝ってよかった…」

俺らの表彰の番がきた。

会長「優勝。A高校 桜庭・村上ペア 栄誉をたたえる。」

そこからは会長の話を長々と聞かされた。


閉会式も終わり陣地に戻ろうとすると先生に引き止められた。

先生「写真を何枚か撮りたいからコートに集まってくれ。」

球次「はい!」

俺は真ん中にしゃがみこれまでにない笑顔で写真に写った。

その後ミーティングが終わり迎えの車を呼んだ。

球次(終わってしまうと一瞬だったな。)

帰りは父さんの運転する車の中で今日の事を話しながら帰った。


To be continued...