準決勝が始まってすぐに雨が降り始めた。

球次「無理に決めようとしないで相手よりも一球多くボールを打てば勝てる。」

楓太「相手も条件は同じ!」

球次「勝つぞ!」

楓太「当たり前だ!!」

出だしから勢いをつけた俺らは5-2とリードしていた。

球次「ラスト1ゲーム絶対取るぞ。」

楓太「おう!!」

俺らが気合を入れなおした瞬間その気持ちに応えるかのように雨が止んだ。

その後、激しい点の取り合いが続いた。

そしてついに、、、

審判「ゲームセット。カウント6-3。」

球次 楓太「よっしゃー!!」

先生「本当に決勝まで進むなんて、やっぱり君達はすごいよ。」

球次「楓太とペアを組めたから勝てたんですよ。」

楓太「照れるからやめろよ。」

球次「お前少しは謙遜しろよ。」

先生「まぁとにかく二人ともおめでとう。決勝も全力で戦ってこい!」

球次 楓太「はい!!」

俺と楓太は顔を見合わせてコートへと向かった。


審判「これからA校 桜庭・村上ペア対S校 剣崎・十文字ペアの決勝戦を始めます。」

審判が言い終えると突然心臓の鼓動が早くなった。

球次「すげー緊張する。」

楓太「俺だって緊張するよ。でも緊張は楽しむもんだろ?」

楓太の一声で心が一気に軽くなった。

球次「そうだな。相手も緊張してるだろうし。」

楓太「条件は同じ。ハンデ無し。俺らは強い!」

球次「勝つぞ!!」

楓太「おう!!!」


「スパーン!! スパーン!! スパーン!!」

審判「0-40。」

試合が始まってすぐに相手とのレベルの差を思い知らされた。

俺らがこの舞台に立っていていいのかとも思った。

(勝てない。負ける。)

そう思った時コートの外から

「勝てるよ!!!」

応援する声が聞こえた。聞き慣れた声、俺の好きな声。

奏「絶対勝てるから!!頑張れー!!!」

球次(奏、ありがとう。)

そう思った瞬間だった。勝てる希望が見えたのは、、、

 
 
To be continued...