『好きです』

俺は生まれて初めて告白された。

あれから数日がたった。県大会を間近に控えたある日俺は教室で一人考えていた。

球次「俺はいったいどうしたらいいんだろう。奏のことどう思ってなんて伝えればいいのかな。」

俺が独り言を言っていると突然後ろから、

奏「え?なんでバレたの?」

球次「わ!だからいるなら言えよ!」

奏「気付いてたんじゃないの?」

球次「気付くわけ無いだろ。」

奏「じゃあなんで私の名前読んだの?」

球次(聞かれてた?)

球次「呼んでないよ。」

奏「なんだ聞き間違いか。」

奏「そんな事より早く帰ろ?」

球次「もうそんな時間か。そうだな帰ろっか。」

奏「うん!」

奏の家まで送っていった。

球次「んじゃまた明日。」

奏「うん。」

俺が帰ろうとした時、

奏「待って!」

球次「どうした?」

奏「何か悩んでる事ない?」

球次「なんで?」

奏「最近元気無いように見えるから。」

球次「何でもないよ。……ごめんやっぱ隠せない。」

奏「どうしたの?」

球次「まだ俺の中でもまとまってないんだ。奏、今日の夜時間あるか?」

奏「あるけど…なんで?」

球次「今日の夜7時に小学校の近くの公園に来てくれ。その時話すよ。」

奏「分かった。」

球次「んじゃまた夜に。」

奏「うん…」


球次(告白か…)



公園に行くとまだ奏はいなかった。

球次(ちゃんと伝えなきゃな。)

しばらく待っていると、

奏「ごめん、遅くなった!」

球次「大丈夫だよ。来てくれてありがとう。」

奏「話って何?」

球次(いきなりだな。)

球次「俺…前に学校休んで病院行ったじゃん?」

奏「うん。でもなんともなかったって…」

球次「ごめん、俺…嘘ついてたんだ。」

奏「え?」

球次「その日医者に言われた事を話すから最後まで聞いてくれるか?嫌なら聞かなくても…」

奏「聞かせて…」

球次「分かった。医者に無理し過ぎだって言われた事は本当のことだよ。でもその後に医者と二人になって…グスッ」

奏「球次…大丈夫?」

球次「ありがとう。それで医者に言われたのは…」

俺は深呼吸をして、

球次「余命があと2ヶ月だって…」

長い沈黙が続いた。すると突然、

奏「ごめん、やっぱり理解ができない!」

球次「話さないほうが良かったかな、俺が悪かったよ。」

奏「そうじゃない!なんでもっと早く言ってくれなかったの?」

球次「え?」

奏「私も言いたいこと言っていい?」

球次「何でも言って。覚悟のうえだから…」

奏は深呼吸のあと、

奏「好きです。私と付き合って下さい!」

球次「え?でも…」

奏「余命のこと?そんなの関係ないじゃん好きなんだもん!」

球次「奏…グスッ、ありがとう。」

奏「返事待ってるから。」

奏は振り返って帰ろうとしていた。

球次「奏!」

俺は奏を呼び止めて次の瞬間には抱きしめていた。

奏「球次?」

球次「奏、俺も奏の事が好きだ。」

奏を体から離し俺は思いを伝えた。

球次「俺と付き合って下さい。」

奏は俺の言葉を聞くと…泣いた。

その後奏が泣き止むまで俺は奏を何も言わず優しく抱きしめた。

心では

球次(死にたくないな。)

と思いながら…。



To be continued...